映画 Better Mus' Come
火曜日にジャマイカ産の映画、Better Mus' Comeを観に行ってきました。
物語は、1970年後半、ジャマイカの2大政党、JLP(Jamaica Labour Party: ジャマイカ労働党といってシンボルカラーは緑)とPNP(People's Nation Party: 人民党といってシンボルカラーはオレンジ)の対立が激化しているところから始まります。
ジャマイカはこの二つの政党が常に戦っていて、かつて、この時代の政治家たちはゲットー(貧困地域)の若者に武器を与え、敵対する政党の支持者を一人でも少なくするために殺させていたと言います。そんなシーンから始まるのですが・・・
この映画には、そういった時代背景をもとに、ゲットーの"抜け出せない"生活、風景(貧しい人々の生活の面、そして美しい自然の面)、当時のファッション、そして熱い恋愛模様が描かれている映画です。
これから観る方もいらっしゃると思うので、詳しくは書きませんが、バイオレンス映画にカテゴライズされてもいいのではないかと思うほど、目を覆いたくなるようなシーン(実際覆った)も多く、これと同じようなことが実際に起こっていたのかと思うと悲しかったです。ジャマイカという国は、一見陽気で、のんきで、楽しい国に見えますが、住んでいるとその反面に独特の暗さがあることに気づきます。それは貧しさから来るものがほとんどです。
また、貧しさにつけこみ、その生活から脱出させる振りをして悪いことをさせる金持ち、それが抜け出せないループになっていることに気づいているのか気づいていないのか、足を洗えない、洗おうと思ったときにはもう遅い・・・コカインに手を染めてしまうシーンはリアルすぎてこわかったです。
とはいえ、ポイントで笑えるシーンもあるのがジャマイカらしかったです。
ちなみに、キングストンには映画館が二つあって、1つは庶民的な場所、もうひとつはアップタウンにあるのですが、一緒に行った友人がアップタウン側に近い方に住んでいるので、こちらに行きました。が、客層はどう見てもこの映画のような生活とはまったく関係ないところで生活している人たちが多かったです。庶民的なほうで観ていたら、もっと身近な反応をみることができたかもしれないと思うと、こちらに行けばよかったかも、と思いました。
この映画の予告を観たとき、すぐに"City of God"を連想しました。これはブラジルのゲットーの若者の生活、それも60年代から80年代にかけてのギャングの抗争を描いたもので、わたしの好きな映画のトップ10に入る映画です、これをだいぶ意識して作ったのかな、と少し残念な気持ちになりました。この映画もやはり犯罪に関するものなのですが、映画の見せ方(色遣いや音楽やファッション)が私好み。オススメです。当時は普通に「ブラジルってこわいところなんだ、でもオシャレでやっぱり憧れの土地❤」と思っていたのですが、ジャマイカに来てからこの映画を観たら「あれ、起こっているところがジャマイカと大して変わらない」と印象が変わったのが驚きです。ちなみに夫はこの映画を最初に観たとき、すでにジャマイカに何十回も来たことがありましたし、住んでもいたので「ジャマイカとそんなに変わらない」という印象だったそうです。
なお、ジャマイカのこういった背景などについては、まだジャマイカに住む前に"ボーン フィ デッド(Born Fi' Dead)"という本を読んでいます。この本はこのブログにコメントしてくださっているもりもと様が翻訳をされています。当時、まだ一度しか旅行で行ったことのない国をこの本で知るのはディープ過ぎて驚くことが多かったのですが、今、こうして生活してみたうえで読むと少し近い視点で解釈できるかと思って再度読んでいます。ご興味のある方は上記のもりもと様のお名前のところのリンクからお買い求めください。また、Amazonの書評はこちらからどうぞ。
銃犯罪に関しては減っているとしても、ゲットーの生活は今でも同じような感じでしょうし、コカインは今の方が蔓延しているかもしれませんし(実際はわかりませんのでご勘弁を)、また2年後にやってくる選挙の前には激しい争いが行われるエリアがあるはずです。
私は自分で住みたくてこの国に来たわけではないので、どうしてこの国に住んじゃってるんだろう?と思うこともしばしばあります。が、憎めないな、この国、と思うことも同じくらいあります。この国に来て、日毎にタフになっていっている自分を感じつつ、少なくとも私を(いい意味で)タフにしてくれる、そしてジャマイカのことをたくさん教えてくれる素敵な人達が幸せになることを祈っています。
物語は、1970年後半、ジャマイカの2大政党、JLP(Jamaica Labour Party: ジャマイカ労働党といってシンボルカラーは緑)とPNP(People's Nation Party: 人民党といってシンボルカラーはオレンジ)の対立が激化しているところから始まります。
ジャマイカはこの二つの政党が常に戦っていて、かつて、この時代の政治家たちはゲットー(貧困地域)の若者に武器を与え、敵対する政党の支持者を一人でも少なくするために殺させていたと言います。そんなシーンから始まるのですが・・・
この映画には、そういった時代背景をもとに、ゲットーの"抜け出せない"生活、風景(貧しい人々の生活の面、そして美しい自然の面)、当時のファッション、そして熱い恋愛模様が描かれている映画です。
これから観る方もいらっしゃると思うので、詳しくは書きませんが、バイオレンス映画にカテゴライズされてもいいのではないかと思うほど、目を覆いたくなるようなシーン(実際覆った)も多く、これと同じようなことが実際に起こっていたのかと思うと悲しかったです。ジャマイカという国は、一見陽気で、のんきで、楽しい国に見えますが、住んでいるとその反面に独特の暗さがあることに気づきます。それは貧しさから来るものがほとんどです。
また、貧しさにつけこみ、その生活から脱出させる振りをして悪いことをさせる金持ち、それが抜け出せないループになっていることに気づいているのか気づいていないのか、足を洗えない、洗おうと思ったときにはもう遅い・・・コカインに手を染めてしまうシーンはリアルすぎてこわかったです。
とはいえ、ポイントで笑えるシーンもあるのがジャマイカらしかったです。
ちなみに、キングストンには映画館が二つあって、1つは庶民的な場所、もうひとつはアップタウンにあるのですが、一緒に行った友人がアップタウン側に近い方に住んでいるので、こちらに行きました。が、客層はどう見てもこの映画のような生活とはまったく関係ないところで生活している人たちが多かったです。庶民的なほうで観ていたら、もっと身近な反応をみることができたかもしれないと思うと、こちらに行けばよかったかも、と思いました。
この映画の予告を観たとき、すぐに"City of God"を連想しました。これはブラジルのゲットーの若者の生活、それも60年代から80年代にかけてのギャングの抗争を描いたもので、わたしの好きな映画のトップ10に入る映画です、これをだいぶ意識して作ったのかな、と少し残念な気持ちになりました。この映画もやはり犯罪に関するものなのですが、映画の見せ方(色遣いや音楽やファッション)が私好み。オススメです。当時は普通に「ブラジルってこわいところなんだ、でもオシャレでやっぱり憧れの土地❤」と思っていたのですが、ジャマイカに来てからこの映画を観たら「あれ、起こっているところがジャマイカと大して変わらない」と印象が変わったのが驚きです。ちなみに夫はこの映画を最初に観たとき、すでにジャマイカに何十回も来たことがありましたし、住んでもいたので「ジャマイカとそんなに変わらない」という印象だったそうです。
なお、ジャマイカのこういった背景などについては、まだジャマイカに住む前に"ボーン フィ デッド(Born Fi' Dead)"という本を読んでいます。この本はこのブログにコメントしてくださっているもりもと様が翻訳をされています。当時、まだ一度しか旅行で行ったことのない国をこの本で知るのはディープ過ぎて驚くことが多かったのですが、今、こうして生活してみたうえで読むと少し近い視点で解釈できるかと思って再度読んでいます。ご興味のある方は上記のもりもと様のお名前のところのリンクからお買い求めください。また、Amazonの書評はこちらからどうぞ。
銃犯罪に関しては減っているとしても、ゲットーの生活は今でも同じような感じでしょうし、コカインは今の方が蔓延しているかもしれませんし(実際はわかりませんのでご勘弁を)、また2年後にやってくる選挙の前には激しい争いが行われるエリアがあるはずです。
私は自分で住みたくてこの国に来たわけではないので、どうしてこの国に住んじゃってるんだろう?と思うこともしばしばあります。が、憎めないな、この国、と思うことも同じくらいあります。この国に来て、日毎にタフになっていっている自分を感じつつ、少なくとも私を(いい意味で)タフにしてくれる、そしてジャマイカのことをたくさん教えてくれる素敵な人達が幸せになることを祈っています。
by af_daba
| 2010-10-22 07:20
| Book/Movie
縁あって住むことになった地球のほぼ裏側、ジャマイカで、私ことdabanが目で見た、感じた日常をおとどけしまーす。ゆるく、時にあつく。第5シーズンに突入しました。
by af_daba
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